―占いと質問の話―
悩んでいるときは、全体が見えなくなる
恋愛でも仕事でも、人間関係でも、悩みの渦中にいると、
「この先どうなるんだろう」
「相手はどう思っているんだろう」
「私はどうすればいいんだろう」
と、いろいろな疑問が一度に出てきます。
でも実は、この3つは似ているようで、まったく違う質問です。
占いは、暗い部屋に置かれたオブジェに光を当てるようなもの
真っ暗な部屋の中に、ひとつのオブジェが置かれているとします。
そこに懐中電灯で光を当てる。
真横から照らせば、高さや輪郭がよくわかる。
真上から照らせば、オブジェがどのくらい場所を取っているのか、横幅や奥行きがわかる。
さらに、横からでも上からでも、反対側から照らせば、今まで影になっていた部分が見えてきます。
片方から見たときには見えなかった突起が、反対側から照らすことで見えてくるかもしれません。
でも、どこから光を当てたとしても、オブジェそのものの形は変わりません。
変わったのは、
「どこから光を当てたか」
ということです。
同じ相談でも、質問によって照らす場所は違う
たとえば、恋愛を相談したいとき、
「彼との関係はこれからどうなりますか?」
というお話をよく聞きます。
ここで、実際に知りたいことをよくよく聞いてみると、
「彼は私をどう思っている?」
「このまま待っていたら関係は進展する?」
「私から連絡したほうがいい?」
「この人との関係を続けることは、私にとって幸せ?」
と、人によって「聞きたいこと」が少しずつ違っているんです。
これは同じ恋愛の相談であっても、その人によって気になっていること、大切にしていること、価値観、さらに置かれている状況も違うからです。
こういう話をすると、
「占いに行く前に、ちゃんと質問を考えておかなきゃ」
「占い師にうまく説明できなかったらどうしよう」
と気にする方もいます。
でも、
「なんだかわからないけれど不安」
から始まってもいいんです。
占い師と話しながら、
「本当に知りたいのは相手の気持ちなのか」
「これからどうなるか、という未来なのか」
「自分がどう動けばいいのか、なのか」
を整理していけばいい。
光を当てても、すべてが見えるわけではない
たとえば、
「相手の気持ち」
を占ったからといって、その人の人格や人生のすべてがわかるわけではありません。
これは、一方向から光を当てただけでは、オブジェのすべての形がわからないのと同じです。
だから必要なら、
「相手の気持ち」
「今後の展開」
「自分から動いた場合」
「何もしなかった場合」
と、光を当てる方向を変えて占っていきます。
そうすることで、ひとつの方向から見ただけではわからなかったものが、少しずつ見えてきます。
「どうなりますか?」の、その先へ
悩んでいるとき、私たち人間はつい、
「正解を教えてほしい」
「結局、どうなるの?」
と思います。
もちろん、「これからどうなるのか」を見ることも、占いの大切な役割です。
ただ、占いでできることは、それだけではありません。
暗くてよく見えなくなっている問題に、いろいろな方向から光を当ててみること。
「未来はどうなる?」
にとどまらず、
「私は、本当は何を知りたいんだろう?」
と考えてみること。
光を当てる方向が変わると、それまで見えていなかったものが見えてくることがあります。
そして、そこに問題の本質が隠れていたり、解決のきっかけが見つかったりすることもあります。
出来事そのものが変わったわけではありません。
けれど、見えるものが増えることで、その出来事との向き合い方が変わることはあるんです。
私は、そんなふうに占いを使うこともできると思っています。


