「何をやってもダメなんです」
「私には能力がないんでしょうか」
仕事の相談で、この言葉をよく聞きます。
転職を繰り返している。
職場でうまくいかない。
頑張っているのに評価されない。
そういう経験が続くと、自分に何か欠陥があるように感じてしまうものです。もちろん、解決方法として、知識不足を補ったり技術の習熟度を上げた方がいい場面もあります。
でも、実際にお話をうかがっていると、こういう相談をされる皆さんは、決して「能力不足」というわけではありません。「環境とのミスマッチ」が原因になることも多いです。
例えば、人とじっくり話をするのが得意な方が、数字やスピードを強く求められる職場にいる。
一人で集中して作業するのが得意な方が、常に周囲と連携しながら動かなければならない環境にいる。
真面目で丁寧な方が、多少雑でもスピード重視という職場にいる。
どれも、その人の能力が低いわけではありません。むしろ、真面目にむきあってる分、能力そのものは高い方が多いです。
ただ、その環境では持っている力を発揮しにくいだけなのです。
以前、ご相談にいらした方も、「何をやってもダメなんです」とおっしゃっていました。
お話を聞いていくと、とても責任感があり、相手の気持ちを丁寧に汲み取れる方でした。
ところが働いていたのは、短時間で大量の仕事を処理しなければいけない、「とりあえず結果を出す」職場でした。
その方は能力がなかったわけではありません。
むしろ責任感があり、だからこそ真剣にに自分と向き合い、自分に厳しくなり、能力がない、と決めてしまったのです。
結果として、持っている長所と職場が噛み合っていなかった。
転職後は、落ち着いて人と関われる環境に移り、「自分は何もできない人間だと思っていました」と笑って話してくださいました。
向いている仕事を探すことはもちろん大切です。
でも、ときには「自分に向いていない環境から離れる」ことの方が、ずっと早く状況が改善することがあります。
もし今、「自分には能力がない」と感じているなら、一度、自分そのものを責める前に、今いる環境が本当に合っているのかを見直してみてください。
答えは、「自分を変えること」ではなく、「場所を変えること」にあるかもしれません。
仕事に関するご相談も、対面・オンラインともに受け付けております。

