「運が良くなりたいです」
占いをしていると、かなりよく聞く言葉です。
金運を上げたい。
もっと仕事がうまくいってほしい。
良いご縁がほしい。
今より豊かになりたい。
もちろん、私もそういうご相談を占います。
ただ、長く占いの仕事をしていて思うのは、
運が良い人というのは、単純に「良いことがたくさん起こる人」ではない
ということです。
むしろ、自分の今の「生活のサイズ」をわかっている人のほうが、結果的に運を育てていきやすい。
昔の言葉でいえば「身の程を知る」という感じに近いと思いますが、
これは別に「お前はその程度なんだから、大それたことを考えるな」
という話ではありません。
むしろ逆です。
今、自分がどのくらいの仕事量なら無理なく回せるのか。
どのくらいのお金なら管理できるのか。
何人くらいの人間関係なら、きちんと付き合えるのか。
どのくらい忙しくなると、体調や生活が崩れ始めるのか。
そういう、自分自身の「容量」を知っておく。
私はこれがかなり大事だと思っています。
たとえば、お金。
月20万円で生活している人が、急に月100万円稼げるようになったとします。
でも、20万円のときにお金の流れをまったく把握していなくて、入っただけ使ってしまう状態だったら、100万円になった瞬間に人生が安定するとは限りません。
むしろ生活水準だけが急激に上がって、
「100万円あるのになぜか足りない」
ということも普通に起こります。
反対に、
生活費はいくら。
仕事に使うお金はいくら。
少し遊ぶお金はいくら。
未来のために残すお金はいくら。
そんなふうに小さな金額でも扱えている人は、収入が増えたときにも、その器を少しずつ広げていけます。
スピリチュアルっぽい言い方をするなら、
運もお金も、「入ってくる力」だけではなく「受け取って保持する力」が必要なのだと思います。
金運アップというと、
財布を新しくする。
金運の神社へ行く。
開運日を選ぶ。
おまじないをする。
そんな「呼び込む方法」に意識が向きがちです。
もちろん、それを楽しむのは私は良いと思っています。
仕事上、魔術やまじないも研究・実践している人間なので、むしろそういうことは大好きです。
でも、どれだけ呼び込んでも、受け皿に穴が空いていたら残りません。
これはお金だけではなく、ご縁も仕事も同じです。
忙しすぎて新しい仕事を受けられない。
人付き合いで疲弊していて、良いご縁が来ても付き合う余力がない。
家の中も予定もいっぱいで、新しいことを始める場所がない。
そんな状態で「もっと運をください」と願っても、
運の側からすると、
「いや、今それを渡して大丈夫?」
なのかもしれません。
だから私は、
開運というのは、何か特別な力を外から足すことだけではない
と思っています。
自分が今持っているものを把握する。
不要なものを減らす。
扱える範囲を少しずつ広げる。
そして、新しいものが来たときに受け取れる余白を作る。
これも立派な開運です。
「もっと大きな人生を生きたい」と思うなら、いきなり大きなものを取りに行かなくてもいい。
まず、
今の自分は何をどこまで無理なく扱えるのか。
そこを知る。
そして昨日よりほんの少しだけ、その範囲を広げていく。
そうやって「器」を育てていく人のところには、不思議と次の仕事や人やお金が入ってきます。
運が良いというのは、偶然に恵まれ続けることではなく、
来た運をきちんと受け取れる自分でいること。
そんな部分も、かなり大きいんじゃないかなと思っています。

